りそなグループ ラボたま

寄居町城南中学校区小中学校集約化・長寿命化検討支援について
~ワークショップ企画・運営~

公共施設マネジメント分野

2025.2

活動の概要

ラボたまでは、埼玉県大里郡寄居町(※以下寄居町)の城南中学校区小中学校再編支援としてワークショップの企画・運営を実施しました。当小中学校は、校舎の老朽化や児童数減少などの課題を抱えており、集約化が喫緊の課題です。これまでの調査・分析では、地域住民や児童などの意見やアイディアを取り入れられていませんでした。そのため、地域に密着した声を集めるためにワークショップ(※)の実施が決定しました。

全5回のワークショップでは、地域住民が意見を交わしながら小中学校における課題の解決案について議論しました。さらに、最終回は公開ワークショップ・パブリックミーティングとして町長にも参加いただき、各班が検討した解決案を発表しました。

次は寄居町での活動について詳しく紹介します。

※ワークショップ・・・
与えられたテーマをもとに、参加者が主体的かつ協調しながら意見交換や体験を行うスタイルの講座をさします。

城南中学校区小中学校の課題と活動内容

寄居町の城南中学校区にある小中学校は下記のような課題を抱えており、早急な解決が求められています。

上記課題を解決するためには、区長や民生委員などの関係者や地域住民からの幅広い意見の聴取が必要でした。ラボたまでは、全5回のワークショップの企画・運営、当日のファシリテーター(進行)役を担当しました。

ラボたまでの主な実施内容

ワークショップの実施内容

続いてワークショップの実施内容について紹介します。地域住民にも活動内容を伝えるため、ラボたまにてワークショップ通信(※3)を作成しました。

ワークショップ通信Vol.1
ワークショップ通信Vol.5

2023年9月22日(金)
第1回 ワークショップ

第1回では、次のことを実施しました。

ワークショップでは、参加者が話しやすい雰囲気や全員が主体性をもって積極的に意見やアイディアを出すことが大切です。そこで、参加者の緊張をほぐして議論しやすい雰囲気づくりのため”公共施設再編ゲーム”を実施。ラボたまのメンバーはファシリテーターとして参加し、各班の雰囲気を和ませて議論が活発に行われるよう働きかけました。

2023年10月20日(金)
第2回 ワークショップ

第2回では、各小中学校が抱える児童減少や校舎老朽化などの課題を共有し、3つの解決案について検討しました。

<3つの解決案>

各案で想定されるメリット・デメリットなどについて議論。活気ある意見交換で多くの意見やアイディアが集まりました。

2023年11月17日(金)
第3回 ワークショップ

第3回では、寄居町教育行政の基本理念と目標達成のための施策、城南中学校区の小中学校で実施したアンケート結果の共有を実施。質疑応答の時間が設けられ、各班の最終案作成の参考となりました。

2023年12月15日(金)
第4回 ワークショップ

第4回では、パブリックミーティングの発表準備を行いました。

ラボたまにて原稿作成の流れや検討事項を説明の上、作業を開始。

各班で決めたキャッチフレーズをもとに発表原稿を作成いただいたので、軸がぶれることなく進められていました。限られた時間でしたが、これまで議論を重ねた参加者同士の関係性も相まってスムーズに発表の準備を終えることができました。

発表用のひな形(ラボたまにて作成)

2024年1月26日(金)
第5回 パブリックミーティング(最終回)

最終回は、議会議員・教育委員会・区長会・民生員・PTA役員・教職員の約60名に参加いただきパブリックミーティングを実施しました。班ごとに小中学校の集中化や長寿命化のための解決案を、参加者の熱い思いが詰まったキャッチフレーズとともに発表。町長の講話では今後の方針の参考にするとのお言葉も頂きました。

寄居町におけるワークショップ企画・運営を振り返って

議員や教育・学校関係者などはそれぞれの立場や利害関係が存在するためコンセンサスを得にくい傾向があります。円滑に意見やアイディアをまとめられたのは、今回のワークショップの成果の一つです。

これらの意見やアイディアは町長への提言、寄居町のパブリックコメントにもつながっています。2024年12月現在、ワークショップで出た提案も取り入れられつつ、城南中学校区学校再編整備および統合計画が進んでいます。

今後に向けて

ラボたまでは、今後も参加者が気軽に意見を出せるワークショップの企画・運営を支援していきます。活発な意見交換ができるワークショップ運営を自治体のみなさまと共に実施し、連帯感が失われやすい地域コミュニティの強化や魅力的なまちづくり実現に貢献します。