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借地権vs底地権!起こりがちなトラブルとその対策は?

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借地権と底地権は「土地に関する表裏一体の権利」となっています。つまり、一方の権利を保護することは、他方の権利を制限することにもつながります。そのため、借地権と底地権を巡ってトラブルに発展することも少なくありません。そこで本稿では、借地権と底地権に関する典型的なトラブルを紹介するとともに、その対応策を提示します。

借地権と底地権は表裏一体

借地権とは、建物の所有などを目的として設定された地上権あるいは賃借権のことをいいます。借地権が設定されている土地を借地、借地権を有する権利者を借地権者と呼びます。これに対して、底地権とは、建物の所有などを目的として借地権を設定している場合における土地所有者の権利を指します。

つまり底地権は、完全な土地所有権から借地権を差し引いた権利であり、借地権と底地権はいわば「表裏一体の関係」にあるといえるのです。

借地権と底地権を巡るトラブルとその解決策

借地権と底地権は同一の土地の上で権利がぶつかり合うものであるため、往々にしてトラブルへと発展してしまいます。借地権と底地権を巡るトラブルはさまざまありますが、大きく分けると、①賃料に関するもの、②権利の更新に関するもの、③土地の立退きに関するものに分類できます。それぞれ典型的なトラブルを以下で確認してみましょう。

①賃料に関するもの
賃料に関するトラブルの中で生じやすいものは、土地所有者(いわゆる地主)が賃料(すなわち地代)を値上げしようとしたところ、借地権者がこれに応じないというケースです。実は、地主が賃料を値上げしようとするには一定の条件が必要となります。

具体的には、当初の契約から相当の期間が経過し、社会経済的な事情にも変更があり当初の賃料を維持することが不相当になったなどの状況の変化が求められます。社会経済的な事情というのは、たとえば、近隣の賃料相場や土地売買価格が上昇していること、固定資産税が増加していることなどが該当します。

また、こうした事情の変更があっても、賃貸借契約の中で一定期間は地代の増額はしないという特約を入れている場合があります。この場合には、やはり地代の増額は認められないため、契約条項には留意する必要があります。

②更新に関するもの
更新に関するトラブルでは、地主が賃貸借契約の更新時に更新料を請求したものの、借地権者がこれに応じないというケースが挙げられます。実務的には、契約の更新時に更新料を支払うことは通常行われています。

ただし、賃貸借契約の中に更新料に関する条項が入っていない場合には、賃借人が更新料を支払う義務はないとした判例もあります。つまり、慣習的に更新料を支払うものだと地主側が主張しても、賃貸借契約に定めがない場合には、賃借人への請求は困難であると考えられます。

③立退きに関するもの
立退きに関するトラブルでは、地主が借地権者に対して更新を拒絶して契約期間満了時に明渡しを要求したものの、借地権者がこれに応じない、あるいは立退料を要求してくるというケースが挙げられます。基本的に、地主が更新を拒絶して明渡しを請求するためは「正当な事由」が必要となります。「正当な事由」の判断の1つの要素として立退料の支払いが考慮されます。

正当な事由の有無は、個別具体的な事例に応じて、当該土地の使用を必要とする事情を中心に、地主と借地権者の双方の事情を総合的に判断して決定されます(借地借家法6条)。実際の判断は非常に難しく、過去の判例などを調べて慎重に対処することが求められますが、一例を挙げれば地主(の親族)がその土地で生活できないと困るなどの事情があれば、正当事由として認められやすくなるということです。

判例を踏まえた対処が大切

借地権と底地権に関するトラブルに関しては借地法(旧法)時代からの判例の積み重ねがあります。賃料に関するもの、更新に関するもの、立退きに関するもの、それぞれで判断基準がどのようになっているのかを調査して対処することが重要といえるでしょう。

執筆 2018/10/05 株式会社ZUU

※当サイトの記事は執筆時点の税制、関係法令などに基づき記載して製作したものです。
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