写真提供:入間市博物館
地域社会への貢献を実践した
「黒須銀行」
埼玉りそな銀行の源流の一つに、1900年(明治33年)に現在の埼玉県入間市に設立された「黒須銀行」があります。
当時の黒須銀行は、ただ利益を追い求めるだけの金融機関ではありませんでした。創立者たちは「庶民の道徳の結晶である貯蓄」こそが資本の基盤であると深く信じ、地域社会の発展を第一に考えた経営を行っていました。
「自分のことよりも、まずは世のため、人のため」という精神を重んじ、事業で得た利益を地域の発展に還元するなど、地域社会全体が豊かになることを目指していました。こうした目先の利益にとらわれない高い倫理観と誠実な姿勢は、地域の皆さまから深く愛され、「道徳銀行」と呼ばれ、親しまれる大きな理由となりました。
渋沢栄一翁が贈った「道徳銀行」の書
「利益の追求」と「公益への貢献」を高い次元で両立させる黒須銀行の経営姿勢は、同行の設立に深く関与し、顧問を務めた渋沢栄一翁が提唱する「道徳経済合一」の理念をまさに体現するものでした。
渋沢翁はこれを大いに喜び、創立15周年を迎えた1913年(大正2年)、直筆で「道徳銀行」と揮毫した扁額を贈呈しました。「道徳銀行」という呼称は、単なる美称ではなく、金融機関が地域社会とどのように共生すべきかを示す強烈なメッセージでした。
現在、埼玉りそな銀行はこの書を収めた扁額を本社応接室に飾り、「道徳経済合一」の考え方を大切に、地域社会の課題解決を牽引する「共創社会のハブ」として地域とともに発展する銀行を目指しています。