人生を楽しむために、お金のリスクと向き合うこと。

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今回、ご登場いただくのは、お金のプロとして活躍するファイナンシャルプランナーの石川英彦さん。これまで数多くの方々からお金の相談を受けてきたプロの視点から、住宅ローンや生命保険に対する考え方についてアドバイスをいただきました。

ファイナンシャルプランナーへの相談のメインは、住宅ローンと生命保険。

ファイナンシャルプランナーにご相談いただく内容で比較的多いのは、じつは「資産運用」ではなく「住宅ローン」と「生命保険」です。これは時代が変わっても、普遍的なテーマですね。住宅ローンの相談には、2つのパターンがあります。ひとつは、金利などの条件を踏まえて、どの住宅ローンを選べば良いのかというもの。もうひとつは、いくら借りればよいのか、将来、いくらなら返していけるのかという相談ですね。住宅ローンの契約直前に、不安になって相談される方も少なくありません。こうした不安を解消するためには、単純に現在の年収から返済額の数字を計算すれば良いというものではありません。年収は同じでも、ご家族のライフスタイルやライフイベントによって、旅行や車などの趣味にお金が必要になったり、教育費が発生したりします。たとえば、キッチンひとつとっても価格は大きく変わりますよね。200万円のキッチンを100万円のキッチンにグレードダウンすることで、100万円分の旅費や教育費が使える。こうした個別の事情やどんな人生を送りたいかなどをきちんとお聞きしたうえで、アドバイスをするようにしています。

ライフスタイルを一緒に考えていくのが、ファイナンシャルプランナーの仕事。

家を買うことは、住まうことです。どのように住まうのかによって、マンションなのか、戸建なのか、もっと言えば、戸建の中でも注文住宅なのか、建売住宅なのか、選択するものが変わってきます。たとえば、最近では、2拠点居住というライフスタイルも話題になっています。平日は職場近くの小さなマンションに住んで、週末は郊外の広いセカンドハウスで過ごす。一見、贅沢なように感じられるかもしれませんが、首都圏など住宅費用が高い地域では、こうしたスタイルをとっても、コストはあまり変わらないというケースもあります。大切なことは、何を優先するかということ。じつは私自身、バイクが趣味なので、ガレージハウスを借りています。その一方で、車にはお金をほとんどかけませんし、洋服などは10年に一回くらいまとめ買いして、あとは一切買いません。自分のこだわりをベースにして、お金の使い方にメリハリをつけるということは、コスパという観点から見てもプラスになることがあります。理想のライフスタイルやこれから想定されるライフイベントを整理して、じっくりと住まいや住宅ローンを考えていくことが大切です。

夢のマイホームを、悪夢にしないためのリスクヘッジ。

夢のマイホームという言葉があるように、住宅を購入することは、本来、楽しいことだと思います。家によって家族の団欒が増えたり、こだわりのキッチンで料理を楽しんだり、ガレージで趣味の車をいじったり、家庭菜園を楽しんだり、夢は膨らみます。その一方で、住宅購入にはリスクもあります。年収の何倍もの借金を背負うこと、住宅ローンという毎月の支出額が固定されること、住む場所を固定されること、こういった「柔軟性がなくなる」側面があることも忘れてはいけません。夢を悪夢にしないためには、万が一の際の健康リスクを含め、将来何かがあったときに住宅ローンをどうすればいいのかということを細かく掘り下げてリスクヘッジを行うことが大切だと思います。例えば、貯蓄や家族の収入でカバーするということも考えられますし、団体信用生命保険などの保険を利用するのもひとつの方法です。少なくとも返済額がゼロになれば、その面では柔軟性が得られます。かつては、「団信革命」のように、就労可能でも、住宅ローンの残債がゼロになる返済リスク対応型住宅ローンは存在しませんでした。こうした健康状態による返済リスクを軽減する商品が提供されているならば、目先の金利や月々の支払い額だけで判断せずに、総合的に住宅ローンを検討した方がよいでしょう。リスクの芽をつぶしておくことは、安心感につながります。安心感があれば、マイホームでの生活を楽しむことができる。お金にまつわるリスクはできるだけ軽減して、人生を楽しんで欲しいと思います。

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004:ファイナンシャルプランナー
石川英彦

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株式会社マネーライフナビ 代表取締役。1968年愛知県生まれ。南山大学経営学部卒業後、北米大陸をオートバイで周遊し帰国。 帰国後、生損保代理店に勤めたことをきっかけにFP(ファイナンシャル・プランナー)を知り、1996年に株式会社マネーライフナビを設立してFP業務を開始。マネープランに関する個別相談、企業でのセミナーを行うのと同時に、消費者視点での情報形成を目的に、金融機関やマネー関連メディアのコンテンツ制作も手がける。趣味は、バイク、カメラ、ゴルフ、野球など。

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