健康

認知症ケアで大切なことって何?
家族が知っておきたい介護のポイントを紹介

認知症ケアで大切なことって何?家族が知っておきたい介護のポイントを紹介 認知症ケアで大切なことって何?家族が知っておきたい介護のポイントを紹介

家族や身近な方が認知症になり、日々の介護に不安を感じている方、また、家族や身近な方の将来の認知症や介護に漠然と不安を感じている方に向けて、役立つ情報をお届けします。
認知症の方をケアする際はどうしたらいいのか、認知症ケアの基本内容や、対応方法、介護をする家族が心掛けておいた方がいい認知症ケアのポイントを詳しく紹介します。
認知症ケアでは、介護をする方自身の体と心の健康も大切です。ストレスを溜めない工夫や相談窓口もあわせて紹介するのでお役立てください。

INDEX

甲斐沼 孟

監修者プロフィール

甲斐沼 孟 /
国家公務員共済組合連合会 大手前病院

平成19年(2007年) 大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科 卒業 平成21年(2009年) 大阪急性期総合医療センター 外科後期臨床研修医 平成22年(2010年) 大阪労災病院 心臓血管外科後期臨床研修医 平成24年(2012年) 国立病院機構大阪医療センター 心臓血管外科医員 平成25年(2013年) 大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科非常勤医師 平成26年(2014年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医員 令和3年(2021年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医長 令和4年(2022年) 同上(現在に至る)

認知症ケアとは?

認知症の方が尊厳や個性を守りながら、その人らしく、安心して暮らせるように生活全般を支援していくことを「認知症ケア」といいます。意思表示が難しい認知症の方のケアでは、心のケアも含めた幅広いサポートが大切だとされています。

認知症の方の尊厳を守りつつ生活を支援する

厚生労働省では、認知症ケアの基本的考え方として「尊厳の保持」を挙げています。
認知症という病気のために見えにくくなってしまいますが、認知症の方それぞれに尊厳があり、個性や可能性、願い、希望があります。それを見出してその人らしい生活を全うできるように支えることをケアの基本に掲げています。

体のケアだけでなく
心のケアも大切

認知症の介護というと、食事や入浴、排泄などの世話のみが思い浮かぶかもしれませんが、心のケアも大切です。認知症の方の「尊厳の保持」を実現するためのかかわり方としては、以下が基本とされています。

  • 生活や行動全般を対象に、本人のペースに合わせた心のケア
  • 食事、入浴、排泄などを対象に、生活のリズムを整えるための体のケア
  • なじみのある人間関係や居住空間を重視するケア
  • 状態変化に対応した専門的ケア(医療との連携)
  • 本人の意思の代弁を重視したケア

認知症の方とかかわるときの考え方の基本は理解できても、実際にどのようにかかわったらいいのか戸惑う方も多いのではないでしょうか。次からは、具体的な接し方や対応方法を見ていきましょう。

認知症の方への基本的な対応方法を知ろう

認知症になると、人に会う約束を忘れたり、同じことを何度も言ったり聞いたりするなどの記憶障害が見られるようになります。その際に責められたり怒られたりすると、本人自身はそのことで不安や焦燥感に駆られ、徘徊や睡眠障害といった周辺症状の悪化につながることもあります。

認知症ケアの基本とは?

認知症の方への対応方法で大切なのは、家族や身近な方がまず、認知症とはどんな病気なのか、どんな症状が出るのかを知って、理解することです。
認知症のことをよく知らないと、病気の発見が遅れたり適切なケアができなかったりといったことにつながってしまうので、ここでは家族が知っておきたい対応方法のポイントを紹介します。

やる気を尊重して相手のペースに合わせて見守る

ケアする側はつい先回りして何でもやってあげてしまいがちですが、着替えや家事、趣味などできることはやってもらうかかわり方が大切です。その際、放っておくのではなく危険がないかどうか観察するようにしてください。
また、急がせるような声掛けをすると興奮しやすくなるため、動作がたとえゆっくりしていても自分のペースでできるようにゆっくり見守りましょう。

相手が理解しやすい言葉で簡潔に話す

認知機能の低下によって、話しかけられてもすぐに理解できないことがあります。話しかけるときは後ろから声をかけるのではなく、相手の視野に入って話しましょう。その際、早口は避け、高齢者にも理解しやすい言葉を選ぶようにします。一度にたくさんの用件を伝えるのではなく、一つ一つ簡潔に話す工夫をしましょう。

失敗や間違った言動を責めない

失敗や間違った言動に対して、頭ごなしに叱ったり、訂正したりするとプライドが傷付けられたと感じてしまいます。病気によって機能が衰えたことによる失敗もあれば、こちらからは間違った言動に見えても、本人はちゃんとした理由があって行動しているケースもあります。本人の話をよく聞くなど、相手を尊重するかかわり方を心掛けてください。

スキンシップを頻繁にとって孤独に
させない

声掛けをまめにして、孤独を感じさせないようなかかわりも重要です。スキンシップを嫌がらない方だったら、手を握ったり肩を抱いたりなどスキンシップを頻繁にとってみてください。感情面が刺激され、心の安定につながる場合もあります。

急な環境の変化は避ける

介護をするために認知症の方との同居や介護施設への入居を検討するケースもあるでしょう。認知症の方へのケアでは、急な環境の変化はできるだけ避けたほうがいいとされています。環境を変える必要があるときは、最初は短期間泊まるだけにするなど、少しずつ変化に慣れてもらう工夫をしましょう。

毎日の暮らしで気をつけること

できることは自分でやってもらうことが大切だといっても、危険を避けるために四六時中、見守っているわけにもいきません。

包丁やライター、漂白剤などケガや誤飲につながる可能性がある生活用品は、あらかじめ手の届かない場所に収納するなど危険を避けて暮らす工夫も大切です。

認知症による見当識障害のために、トイレの場所がわからずトイレに行くのを嫌がるケースもあります。トイレの前に「トイレ」と書いた紙を貼る、廊下やトイレ前の照明を明るくしてトイレの場所をわかりやすくするなどの対処法もおすすめです。

相談することも大切

家族や身近な方が認知症かもしれないと思ったら、自分だけで抱え込まずに周囲に相談することも重要です。相談先としては、かかりつけ医や専門医療機関(もの忘れ外来・認知症疾患医療センターなど)、地域の相談センター(地域包括支援センター・在宅介護支援センター)があります。

また、全国に約7,000か所ある「認知症カフェ」を利用する方法もあります。認知症の方やその家族、地域住民などが気軽に集える場所として開設されており、認知症について「知る・学ぶ・考える」ことができる地域とのつながりの場です。
地域によって、認知症カフェ、オレンジカフェなどいろいろな名称で運営されており、埼玉県内にも、400か所以上のカフェが設置されています。興味のある方は自治体の高齢者担当課や地域包括支援センターなどに問い合わせてみてください。

認知症ケアで大切なこととは?家族がケアするときの注意点

認知症の人に対しては接し方によって症状が安定したり、向上したりするケースもあります。家族がケアにかかわるときは、自尊心を傷付けない接し方を心掛けるとよく、注意点も含めて解説します。

認知症ケアで改善できる認知症の症状がある

認知症の症状は2つに大別されます。一つは、すべての患者に見られ、病気の進行とともに悪化する「中核症状」、もう一つは「周辺症状」です。

中核症状は、記憶障害や見当識障害など脳の神経細胞の障害によって起こる症状です。
一方、周辺症状は、BPSD(行動・心理症状)とも呼ばれ、中核症状にプラスして環境、身体、心理といった要因が相互作用を起こすことで生じます。具体的には、抑うつや不安、妄想、徘徊、不潔行為、暴言などの症状を指します。
周辺症状は疾患の重症度とは比例しないとされ、適切なケアによって軽減できる可能性があるといわれています。

自尊心を傷付けないように接するには?

認知症の方への対応では、介護をする側が感情的になるのはよくないとわかっていても、冷静になるのが難しいときもあるでしょう。また、実際にどのような対応をしたらいいのか戸惑う方もいるのではないでしょうか。
ここでは、実際に遭遇しがちなシーンの例を挙げ、自尊心を傷付けない接し方を紹介します。

同じことを繰り返し聞かれたとき

夕食の献立や、今日が何曜日かなど、同じことを何回も聞くのは認知症の方にはよくある症状なので本人に悪気はありません。落ち着いて丁寧に対応しましょう。イライラして感情的に対応したり、いい加減に答えたりすると、プライドが傷付けられたと感じ、抑うつや自信の喪失につながってしまいます。そうした対応が何回も繰り返されると、周囲の方への不信感が生まれ介護に対して拒否反応を示す場合もあります。
曜日や日にちに関する話題のときは、カレンダーを一緒に確認してもいいでしょう。話題の転換や散歩に誘うなどの対応もおすすめです。

お金や大事な物を盗まれたと疑われた
とき

こちらも、認知症の方によくある症状として聞いたことがある方もいるでしょう。わかってはいても、実際に疑われたらとっさに否定して、感情的に反論してしまいがちです。しかし、逆効果になるため、「それは大変でしたね」と対応して、まず、どのような状況なのか話をよく聞いてください。そのうえで、一緒に部屋を探したり、しまってありそうなタンスや引き出しを探すように声掛けしたりしてみましょう。

トイレを失敗してしまったとき

本人も自分の失敗にショックを受けているため、プライドを傷付けないよう慎重な対応が求められる場面です。汚れたトイレの掃除や、汚れた下着の始末をするときは、さりげなく行いましょう。
定期的にトイレに誘うなどの対応も効果的です。

認知症介護を
する方へのケア

認知症の方へのケアを適切に行うには、介護をする方自身のケアも大切にしなければなりません。
例えば、「自分の居場所を確保する」「気分転換と楽しみを見つける」「リラックスする時間を作る」など自分に合ったストレス解消法を見つけておくのもおすすめです。

また、周囲への相談や、デイサービスやショートステイ、訪問介護サービスの利用など、一人で抱え込まないようにすることも重要です。
埼玉県では2020年3月に全国初の「埼玉県ケアラー支援条例」が制定され、家族などを介護する方などの「ケアラー支援」に取組んでいます。以下に紹介するので身近な相談先としてご活用ください。

まとめ

認知症の家族や身近な方を介護するときは、まずどんな病気なのか、どんな症状があるのかをよく理解して、対応することが大切です。認知症ケアでは、家族が今までと人が変わったようになったとしても、一人の人間として尊厳を持って安心して生活するためのサポートを行うという心構えが何よりも重要となります。その一方で、介護する方の負担も大きいため、専門施設に相談するなど一人で抱え込まないようにしましょう。

  • 2023/03/01新規作成
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