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花粉で肌荒れが起こることはある? 症状や原因、予防法を紹介

花粉で肌荒れが起こることはある? 症状や原因、予防法を紹介 花粉で肌荒れが起こることはある? 症状や原因、予防法を紹介

花粉症の時期に肌のぶつぶつや肌が赤く腫れるなどの肌荒れに悩む方もいるのではないでしょうか。
春や秋に飛散する花粉は、鼻や目だけでなく肌にも悪影響を及ぼすことがあります。鼻水やくしゃみがなくても、もしかしたら花粉が原因で肌荒れが起きているのかもしれません。
この記事では、花粉が肌にどのような影響を与えるのか、肌荒れの原因や予防法について解説します。

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山下 真理子

監修者プロフィール

山下 真理子

京都府立医科大学医学部医学科 卒業後、のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務するかたわら、美容と健康の講演会なども行う。コロナ以前は、大阪医専にて医療従事者の教育にも関わった経験がある。

花粉の影響は皮膚に
及ぶこともある!

花粉症の症状は鼻水やくしゃみ、目のかゆみだけだと思っていませんか?花粉によって肌荒れが起きることもあります。そもそも花粉症はなぜ起きるのか、また、花粉によって肌にどのような症状が出るのかを紹介します。

花粉の時期に生じる皮膚のかゆみ、赤み、熱っぽさ

人間の鼻や目に異物である花粉が侵入すると排除するために「くしゃみ」をしたり、「鼻水」や「涙」で洗い流したりしようとします。体内に入った異物に対して人間の体が起こす免疫反応は通常体にとって良い反応になりますが、時に日常生活にも支障をきたすほど反応が過剰になることがあります。このように体にマイナスの影響を及ぼす状態をアレルギーと呼び、花粉症は花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応です。

花粉症の症状としては鼻水やくしゃみ、目のかゆみがよく知られていますが、実はそれ以外の症状もあります。例えば、スギ花粉症では咳や喘息といった呼吸器症状ほか、消化器、咽頭に症状が表れたり発熱したりといった症状が表れる方もいます。また、スギ花粉が肌に付着することで炎症が起きることもあります。春先など花粉が飛ぶ時期に顔のかゆみや赤み、発疹、熱っぽさなど肌荒れが生じる場合、もしかしたら花粉が影響しているのかもしれません。

花粉皮膚炎とは?

花粉が影響して起こる肌荒れは「花粉皮膚炎」と呼ばれています。花粉皮膚炎は、花粉が皮膚に接触することで引き起こされる肌トラブルの一種です。スギ花粉が飛ぶ2月~4月の時期だけでなく、ブタクサやヨモギなどが飛ぶ秋口にも発症しやすいといわれています。

顔や首、腕など、外気にさらされやすい部分が影響を受けやすく、特に乾燥肌やもともと皮膚炎がある方は花粉の影響を強く受けやすいので注意が必要です。

花粉による肌荒れの原因

花粉が肌荒れを引き起こす要因には、乾燥と炎症が挙げられます。これらは、肌のバリア機能が弱まったときに特に起こりやすく、結果的に肌荒れが悪化してしまいます。

肌の乾燥によるバリア機能の低下

人間の皮膚には内部の水分蒸発を防ぎ、外的刺激から体を守る「バリア機能」が備わっています。通常は、花粉が皮膚に付着してもアレルギー反応を起こすような刺激にはなりません。しかし、何らかの要因でバリア機能が低下すると花粉が皮膚内部に侵入しやすくなりアレルギー反応が起こりやすくなります。

バリア機能が低下する大きな要因の一つに肌の乾燥があります。肌が乾燥すると肌表面の角質層からうるおいが失われ、外的刺激を受けやすくなるからです。肌が乾燥しやすい方、アトピー性皮膚炎の方は日頃からバリア機能が低下した状態にあるため、花粉の多い季節には乾燥対策が欠かせないといえるでしょう。

肌に炎症が起きる

バリア機能が低下した肌に花粉が付着すると、人間の体は花粉を異物とみなして体から排除しようとします。かゆみや赤み、発疹などの炎症は体の免疫反応によるものですが、炎症が起こることにより肌はさらに敏感になり、トラブルが長引くことがあります。

肌荒れがひどいときは
皮膚科の受診を

もし肌荒れがひどくなった場合は、自己ケアではなく皮膚科の受診が推奨されています。適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことにつながります。

塗り薬や飲み薬による治療

皮膚科では、現在起きている肌荒れが花粉によるものなのか、他の要因によるものなのか明らかにするため、問診や検査が行われます。花粉皮膚炎である場合は症状や体質に合わせて、炎症を抑えるステロイド系の塗り薬や抗アレルギー薬など飲み薬が処方されます。乾燥を防ぐために保湿剤が処方される場合もあります。これらの治療法は炎症を抑えたり、肌の回復を早めたりする効果があります。

ファンデーションなどの化粧は避けたほうがいい?

花粉による肌荒れで悩む方は、ファンデーションを避けるべきか迷うことがあるのではないでしょうか。基本的に肌が敏感な状態のときはメイクなどは避けましょう。なぜならメイクを施す時に荒れている場所を触ってしまうことが、肌荒れを悪化させてしまう要因につながりかねないからです。メイク落としが不十分であっても肌荒れ悪化の原因になりますし、逆にこすったり落としすぎたりしても乾燥してより肌が荒れてしまう原因となります。
また、低刺激だからといって、メイクオフを怠れば、時間が経てばそれは肌にとって「油汚れ」になります。できるだけ肌を清潔な状態に保つことが、肌荒れをはやく治す近道になります。もちろん、保湿は徹底してすることが大切なので、スキンケアはきちんとすることが重要です。

同じく、無添加化粧品であっても、必ずしも肌に良いわけではありません。無添加とは、肌の刺激になる成分が少ないだけではなく、肌にとって良い美容成分も乏しいということになり、肌に栄養を与えるべきであるという観点からはおすすめ出来ませんので、気になる方は病院を受診しましょう。

花粉による肌荒れを
予防するには?

肌荒れを防ぐためには、日常生活でのきめ細かな対策が重要です。花粉の影響を最小限に抑えるための予防策を紹介します。

花粉から肌を守る

外出時には、マスクやメガネ、帽子、スカーフなどを使用して花粉から肌を守りましょう。これにより、肌に直接花粉が付着するのを防ぐことができます。外出から戻ったら、衣類についた花粉を払ったりすぐに入浴して顔や体についた花粉を落としたりするのもいい方法の一つです。

また、洋服に花粉が付着するのを避けるために毛織物の上着やコートではなく、花粉が付着しにくい綿かポリエステルなどの化学繊維のものを選ぶようにしましょう。花粉が飛散する時期は洗濯物を外に干さずに室内に干すのもおすすめです。

肌の乾燥を防ぐ

肌の乾燥をいかに防ぐかは、花粉による肌荒れ予防には欠かせない観点です。保湿のためには水分だけでなく油分もしっかり補いましょう。洗顔後は化粧水をたっぷりつけ、乳液や保湿クリームなどのスキンケアアイテムを使用して、肌のバリア機能を強化するのがおすすめです。肌の乾燥を防ぐためのスキンケアで重要なのは早めの対策。花粉が飛ぶ前から行うのが効果的です。

肌に刺激を与えない

肌のバリア機能を低下させないためには肌に刺激を与えない工夫も必要です。洗顔の際もごしごしこすったり熱いお湯で洗ったりするのは避けてください。刺激の少ない石鹸などを使ってぬるま湯で優しく洗いましょう。
また、かゆみを感じて肌をかいてしまうと肌荒れがさらに悪化する可能性があります。保湿剤や塗り薬などでかゆみを抑えかくのを我慢しましょう。

規則正しい生活を心掛ける

肌荒れを防ぐためには体の免疫機能を正常に保つことも重要です。そのためには十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事を心掛けるなど生活面にも目を向けてみましょう。生活習慣の乱れやストレスは肌のターンオーバーを乱す要因にもなり、肌荒れを悪化させる要因にもなりかねません。

まとめ

花粉症というと鼻水やくしゃみ、目のかゆみを想像する人が多いのではないでしょうか。しかし、花粉が皮膚に接触することでアレルギー反応が起き、皮膚炎が起こる場合もあります。症状が軽い場合は肌の保湿に努めることで症状が良くなる場合もありますが、かゆみや炎症がひどいときは皮膚科を受診して適切な治療を受ける必要があります。予防のためには、花粉から肌を守るためにマスクやメガネ、帽子を着用するなど、肌に花粉がつかないようにする工夫も重要になってきます。

  • 2025/01/17新規作成
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