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監修者プロフィール
甲斐沼 孟 /
国家公務員共済組合連合会 大手前病院
認知機能を刺激する脳トレやゲームで脳の働きを活性化させよう
認知症になると、認知機能が低下し日常生活にさまざまな支障をきたす状態になります。認知症を治療するための研究は各方面でされていますが、現時点では認知症を完全に治す治療法は確立されていません。そのため、認知症予防に大きな関心が寄せられています。
今までの研究から、認知症の抑制には食習慣や、有酸素運動の量、知的な生活習慣などが大きく関わっていることがわかってきました。さらに、認知症の前段階とされ、物忘れを主たる症状とする「軽度認知障害(MCI)」の時期には、ゲームを含む知的活動が認知機能を維持するために役立つとされています。
では、なぜ認知症予防にゲームが役立つのでしょうか。
ゲームをするとき、人は考えたり、判断したり、記憶したりといった機能をよく使います。人と対戦するゲームでは、相手の動きを予測したり、考えながら手や体を動かしたりもします。そうした知的活動が脳を活性化させるだけでなく、生活にメリハリを与え、身体機能や認知機能の向上などを促すことにつながります。
認知症予防にいいのはどんなゲーム?その特徴とは?
ゲームといってもさまざまなタイプがあります。認知症予防のため、生活にゲームを取り入れようと思っても、どんなゲームをやればいいのかわからない方もいるでしょう。ここでは、認知症予防に取り入れるとよいゲームの特徴とゲームの種類、内容を紹介します。
認知症を予防するゲームの
特徴とは
ゲームは余暇に楽しみながらするものですが、実は記憶力や言語能力、判断力、計算力などを要する知的な営みです。「ゲームは小さい子どもがするもの」などと思わずに、日常生活に取り入れてみてはいかがですか。
認知症予防にいいとされるゲームの特徴を以下にまとめたので参考にしてください。
楽しんで続けられるゲーム
認知症予防のためには継続が重要です。ちょっとしたすき間時間に、一人でも手軽にできるゲームを見つけてみてください。自分の趣味や嗜好に合っていて、無理なく続けられるゲームを選ぶといいでしょう。
他人と交流できるゲーム
人とのコミュニケーションによっても脳は活性化します。かるたやトランプなど何人かで楽しめるゲームも効果的です。家族と楽しんだり、地域のサークルに参加したりしてみましょう。
頭だけでなく体も動かせるゲーム
体を動かしながらしりとりをしたり、数を数えたりするゲームもおすすめです。考えることと体を動かすこと、二つの機能を同時に使えるゲームはさらに脳を活性化させられます。
瞬発力が問われるゲーム
注意力を向上させたい場合は、スマートフォンなどの対戦型のアクションゲームを取り入れてみてはいかがですか。今までやってみたことがなくても、逆に新しいことへの挑戦が脳への刺激となります。アクションゲームではとっさの判断が求められるため、集中力や瞬発力が鍛えられるでしょう。
一人でも楽しめる脳トレやクイズゲーム、パズルゲーム
以下のゲームは一人でも手軽に楽しめるため、朝に10分、移動時間に10分など空いた時間を見つけて挑戦するのにおすすめです。脳トレ関連の本はたくさん市販されているので試しやすいゲームだともいえます。また、最近はスマートフォンのアプリや、インターネットを通じて利用できる脳トレ関連のゲームも増えているので、家族の方にサポートしてもらいながらやってみましょう。
脳トレゲーム
クロスワードパズル、間違い探し、数パズル、塗り絵形式のゲームなどさまざまなタイプがあり記憶力や言語力への刺激が期待できます。
クイズゲーム
計算問題や漢字問題、日本地図問題など、クイズ形式のゲームは考える力を鍛えてくれます。
パズルゲーム(ジグソーパズル)
手と脳を同時に動かせるので、空間認識力や想像力が鍛えられます。
瞬発力が問われるアクション
ゲーム
アクションゲームは、テレビゲーム機やスマートフォンのアプリなどを通じて行います。主にキャラクターの行動をコントローラーなどで操作し、敵と戦ったり宝物を獲得したりします。視覚から得た情報と、指や体の動きを連動させる必要があるため、認知機能の維持や向上が期待できます。
ゲームソフトを動かすプラットフォームによっていくつかの種類に分かれるので、取り組みやすいタイプのものを選んでやってみましょう。
テレビゲーム
専用のソフトと家庭用のゲーム機が必要で、テレビにつなぎ、コントローラーを操作して遊びます。アクションゲームのほか、実際に体を動かして操作するゴルフやアドベンチャー、ダンス系のゲームも人気です。一人でも楽しめますが、家族や友人など複数でやると、コミュニケーションを通じてさらに脳が活性化されます。
スマホゲーム
専用の機器は必要なく、スマートフォンにアプリをダウンロードするだけですぐに遊べます。操作はスマートフォンの画面をタッチして行います。ゲーム内で知らない人同士がグループになり、共通の敵を倒すために力を合わせて戦うゲームもあります。SNSを介して仲間とコミュニケーションが図れる点も魅力です。
アクションゲーム以外にも、物語の主人公になって冒険や探索を行うロールプレイングゲームや音楽に合わせてマークをタッチする音楽ゲーム、パズルゲーム、レースゲームなどさまざまな種類があるので、いろいろ試してみてください。
集団で楽しめるリクリエーションゲーム
家族や近隣の友人、知人と日常的にトランプなどのカードゲームや、歌クイズなどのレクリエーションゲームを楽しむのもおすすめです。
ゲームを通じて会話も弾み、心がウキウキする時間を持つことが脳への刺激となります。数人で遊べるゲームの例を以下に紹介します。
トランプなどのカードゲーム
子どもの頃を思い出しながら、神経衰弱やババ抜き、7並べなどのトランプゲームをやってみましょう。ゲームのルールを確認したり、勝つための戦略を練ったりしながら、参加者とのおしゃべりが楽しめる点もレクリエーションゲームの良さです。
歌当てゲーム、都道府県クイズ、連想ゲームなど
クイズを出し合うゲームは、家族や友人との旅行などの際に楽しめます。歌の一節を歌って題名を当てる歌当てゲームや、都道府県の名産品や気候などの特徴を言って県名を当てる都道府県クイズ、出題者が考えたお題をヒントから当てる連想ゲームなどがあります。
足踏み体操、風船バレーなどの体を動かすゲーム
体を使って楽しむゲームは、さらに脳を活性化できます。例えば、足踏み体操は、その場で歩きながらしりとりや計算問題に挑戦するゲームです。一人でもできますが、2人1組でやったほうが盛り上がります。バレーボールの代わりに風船を使ったバレーも無理なく体を動かせるのでおすすめです。
自分に合ったゲームの選び方
認知症予防のためのゲーム選びでは、長く続けられるものを選ぶことが大切です。たとえ効果があっても、自分に合わないゲームや嫌いなゲームを無理してやっても脳の活性化にはつながりません。そもそも、続けるのが難しいでしょう。
ゲームを選ぶ際のポイントは、「自分の趣味、嗜好に合うゲーム」「やっていて楽しいゲーム」「程よいレベルで無理なく参加できるゲーム」「安全にできるゲーム」などです。できればいろいろなゲームを試してみて、「これなら続けられる」というものを選びましょう。
ゲーム以外に効果のある知的活動とは?
ゲームをはじめとする知的な活動をするとき、人は考えたり、記憶したり、判断したりといった認知機能を働かせます。認知症の予防には、こうした知的活動を充実させることが大切で、ゲーム以外にも以下のような趣味活動を積極的に楽しんでみてください。
- 本を読む
- 映画やミュージカル、演劇を観る
- 楽器の演奏をする
- 歌を歌う
- 絵を描く
- 編み物や手芸をする
- 語学の勉強をする
また、認知症予防には運動などのトレーニングも有効です。以下の記事も参考にしてください。
認知症予防に効果的なトレーニングとは?おすすめの運動や脳トレ、長く続けるためのポイントを紹介
まとめ
認知症を予防するには、脳を刺激して活性化させるゲームなどを継続的に行うことも役立ちます。毎日無理なく続けていくために、自分に合ったゲームや知的活動を積極的に続けていきましょう。
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- 2023/03/01新規作成


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