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監修者プロフィール
鳥谷 威 /
CFP®認定者/1級ファイナンシャルプランニング技能士
バケットリストとは人生でやりたいことを全て書き出すリストのこと
バケットリストとは何か、話題になったきっかけやバケットリストを作るメリットなどを解説します。
バケットリストって何?
バケットリストとは、「生きているうちに自分がやりたいことリスト」のことです。英語のスラング「kick the bucket(日本語で死ぬという意味)」が由来の言葉で、日本語では「棺桶リスト」とも呼ばれています。
余命宣告を受けた2人の男性が、やり残したことを実行しようと旅に出る姿を描いた映画『最高の人生の見つけ方(原題:The Bucket List)』に登場し、話題になりました。スカイダイビング、カーレース、ピラミッド観光、そして生き別れになった娘との再会など、さまざまなリストを現実のものにしていくシーンが印象的な映画です。
自分がやりたいと思うことを、大きなことから小さなことまで書けるだけ書き出してリスト化する。それがバケットリストのただ一つのルールです。とてもシンプル、でも奥が深いものなのです。
バケットリストのメリット
やりたいことをリスト化するプロセスには、たくさんのメリットがあります。
子どもの頃に、純粋な気持ちで憧れていたこと。大人になってから、現実を少し離れて「こんなことができたらいいな」と夢想したこと。そんな「こうなりたい」「やってみたい」気持ちを実際に書き出すという行動を通じて、自分の本当の気持ちにあらためて気づくことができます。夢や目標を可視化することで、モチベーションも上がるでしょう。
バケットリストは常に読み返すことができるため、「やりたいこと」を忘れない点もメリットです。また、実現のために今できること、やるべきことがイメージしやすくなり、行動につながっていきます。その結果、実現に近づくことができ、最終的には、夢を一つ一つかなえていくことで理想の自分になっていくでしょう。
バケットリストをスムーズに書き始めるコツ
バケットリストを書くにあたり、押さえておきたいポイントを解説します。
現実的に考えない
バケットリストは「TO DOリスト」ではありません。「やるべきこと」ではなく「したいこと」にフォーカスするのがコツです。「今の貯金はこのくらいしかないから」「家族がこう思うだろうから」など、現実的な考えはいったん脇に置いておきましょう。とはいえ、壮大な夢でなくても全く構いません。「小学生のときに大好きだった駄菓子を、大人買いしたい」「大好きなマンガを全巻コンプリートしたい」など、子どもっぽいと思えるようなことでもOK。ささやかな夢も大きな目標も、全て書き出していきましょう。
また、他人の目を意識しないことも大切です。バケットリストは、レポートのように評価されるものでもなく、人に読んでもらうものでもありません。心の赴くままに書き進めていきましょう。リストをざっと眺めて、自分らしさにあふれていると感じられたら、うまく書けている証拠です。
カテゴリー別に書いてみる
「好きなように書いて大丈夫」といわれると、かえって思い付かないという方は、カテゴリー別に書いてみることをおすすめします。特に決まりはありませんが、たとえば次のようなカテゴリーに分けてみてはいかがでしょうか。
- 行きたい場所
- 挑戦したいこと
- 欲しいもの
- 会いたい人
- 学びたいこと
- 上達したいスポーツ
- やりたい仕事
- 目標とする収入
- どのような人間関係を望んでいるか(家族、恋愛、友人)
- どのような暮らしがしたいか(住居、ライフスタイル、住む場所)
- どのような自分になりたいか(健康、外見、内面) ……など
バケットリストを作ってみよう
バケットリストの書き方や、リストを実際に実現するためのコツをご紹介します。
バケットリストの書き方は?
バケットリストの書き方には、こうすべきという決まりはありません。まずは思い付いたことから書き始めてみましょう。気分が乗ってくると、湧き出すように出てくるかもしれません。逆になかなかペンが進まない時は、日をあらためて書けばいいのです。リストは、100個を目指して書いてみましょう。もちろん100個以上でもOKです。
もし、後から見返して「これは不要」と感じるリストがあったら、消して新しいリストを追加していきましょう。生きている限り未完成のリストだと考えて、楽な気持ちで臨むのも長続きするコツです。
バケットリストはお気に入りのノートに書いたり、パソコンでファイルを作って入力したりと、スタイルは自由です。最近は専用のノートやアプリもあります。使い勝手のいいものを選びましょう。
バケットリストを実現するためのコツ
バケットリストは、実践し、実現していくためのものです。リストを実現するためのコツを4つご紹介します。
- 1.視覚的に表現する
- 行きたい場所や憧れのファッションの写真を貼ったり、住みたい家のスケッチを描いたりして、夢や目標を具体的にイメージできるようにします。
- 2.優先順位と期限を決める
- 「絶対かなえたいこと」「できればかなえたいこと」「かなうとうれしいこと」などのように、優先度によって順位分けをしておきます。さらに、期限を決めるとスイッチが入ります。
- 3.定期的に読み返して現状を確認する
- 書きっ放しではなく定期的に読み返し、今どの程度達成できているか、達成に近づいているかを確認しましょう。
- 4.達成できたリストにはチェックを入れる
- 見事達成できたリストにはチェックを入れて、達成した日付も書き込んでおきます。チェックを入れた項目が増えるごとに達成感が味わえ、モチベーションも上がります。
バケットリストの記入例
ここでは、リストの具体的な記入例をご紹介します。実際に書く際の参考にしてください。
「行きたい場所」の記入例
- 両親を連れて出雲大社にお参りする
- 富士山頂からご来光を拝む
- ヘリコプターから東京の夜景を眺める
- 全国47都道府県を制覇する
- カナダにオーロラを見に行く
- ドイツのクリスマスマーケットを楽しむ
- ミラノサローネで最新のキッチンを見る
- ウユニ塩湖で最高の写真を撮る
- イギリスのマナーハウスでアフタヌーンティー
- クルーザーで世界一周旅行をする
- ……
- など
「挑戦したいこと」の記入例
- フルマラソンに出場して完走する
- みそ作りをする
- 断食道場で2泊3日の断食を体験する
- 天の川の写真を撮る
- 交換留学生を自宅に受け入れる
- ……
- など
「欲しいもの」の記入例
- イームズのラウンジチェア
- おしゃれなクロスバイク
- 日本全国を周れるキャンピングカー
- ツリーハウス
- 白のスタンスミス
- 古伊万里の大皿
- ……
- など
「学びたいこと」の記入例
- 旅行先で困らない程度の英会話力を身につける
- 整理収納アドバイザーの資格を取る
- Photoshopを使いこなせるようになる
- 薬膳料理を学び日常に取り入れる
- ドローンのライセンスを取る
- 漢検一級に合格する
- ……
- など
「やりたい仕事」の記入例
- フリーランスのデザイナーとして独立する
- 副業で東欧の雑貨を輸入販売する
- 星空の写真集をプロデュースする
- キッチンカーで週末起業する
- 古民家をリノベーションしてカフェを始める
- ……
- など
「どのような人間関係を望んでいるか」の記入例
- どんなことも素直に話し合える夫婦になる
- 信頼して見守れる親子関係になる
- いざというときに助け合える親友を持つ
- 同僚と風通しのいい関係を保つ
- 趣味が同じで一緒に旅行できる仲間を持つ
- ……
- など
「どのような暮らしがしたいか」の記入例
- 好きなものだけに囲まれたミニマルな部屋にする
- 駅近のマンションで便利な暮らしをする
- 海まで5分の家に住んでサーフィンを楽しむ
- 京都にセカンドハウスを持つ
- 自宅の庭で本格的にバラを育てる
- 建築家の○○さんが設計した家に住む
- キッチンをフルリフォームして使いやすくする
- ……
- など
「どのような自分になりたいか」の記入例
- 姿勢を良くする
- 肩凝りを治す
- 5kg減量する
- 笑顔のすてきな人になる
- 聞き上手な人になる
- 早起きして時間を有効に使う
- ストレスに強い人になる
- ……
- など
まとめ
多忙な毎日の中では、夢や目標について考える時間は意外と少ないものです。今回ご紹介したバケットリスト作りは、あらためて自分の人生を見つめ直すいい機会になるのではないでしょうか。
リストを意識して小さな実践を積み上げていけば、いつか大きな夢もかなうかもしれません。面白そうだなと感じたら、ぜひバケットリストを作ってみてくださいね。
また、現在の収入やライフスタイルから、生涯の収支や貯蓄額を予想するシミュレーションツールを以下にご紹介します。未来のライフプランをより良いものにするためにお役立てください。