家の防犯対策どうしたらいい?空き巣などの侵入被害を防ぐための対策


空き巣や侵入強盗のニュースを聞くと、わが家の防犯対策は大丈夫だろうか?と不安に思う方も多いはず。その手口は多様化しており、犯人はさまざまな方法で侵入を試みるため、油断は大敵です。
今回は、家の防犯の基礎知識やおすすめの対策法を詳しく解説します。また、離れて暮らす高齢な親のための見守りサービスについてもご紹介します。


INDEX
空き巣や忍び込みは戸建てやマンションの被害が多数
一戸建て住宅やマンションなどに侵入し、金品を盗む犯罪を「侵入窃盗」といいます。留守宅を狙う「空き巣」、就寝中を狙う「忍び込み」、在宅中の住人の隙を狙う「居空き」といった手口があります。
警察庁によれば、侵入窃盗の認知件数は平成15年から減少に転じ、令和4年は3万6588件で前年比マイナス1.8%と20年連続で減少しています。このうち、住宅を狙った侵入窃盗は平成16年から減少。令和4年は1万5692件で前年比マイナス9.2%と、同じく連続で減少しています。しかし、一日当たりで見ると約43件発生しており、いまだ多くの住宅が被害に遭っているのが事実です。
侵入窃盗の発生場所として最も多いのは一戸建て住宅で、全体の約3分の1を占めています。一方、共同住宅(アパート、マンションなど)も全体の1割強を占めます。

なお、在宅中の家に侵入して強盗を行う「侵入強盗」の身体犯(強盗殺人、強盗傷人など)の認知件数は、平成16年からは減少傾向でしたが、令和4年は前年比で16.3%と増加に転じています。より凶悪な侵入強盗の数値が増えているのは気がかりです。
- ※参照「警察庁 住まいる防犯110番 データで見る侵入犯罪の脅威」(警視庁ホームページへのリンク)
【防犯対策1】窓とドアの対策を強化する
侵入者はどこから住宅に入り込むのでしょうか。警察庁によれば、一戸建て住宅の場合、窓から(53.5%)、表出入口から(21.3%)となっており、窓と玄関ドアが7割以上を占めています。3階建て以下の共同住宅では表出入口(47.3%)、窓(40.7%)となっており、4階建て以上の共同住宅では表出入口(60.7%)、窓(24.5%)と、いずれも玄関ドアと窓が多くを占めています。
まずは、玄関ドアと窓の防犯が大事だとわかります。次に、具体的な防犯対策をご紹介しましょう。
- ※参照「警察庁 住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威」(警視庁ホームページへのリンク)
ガラス破りを防ぐための窓への対策とは?
泥棒や空き巣は、窓ガラスを割って鍵を外し、窓を開けてそこから侵入します(ガラス破り)。窓を開けさせないための対策が必要です。
補助錠を付ける
財団法人都市防犯研究センターによれば、侵入に5分かかると侵入者の7割はあきらめ、10分以上かかるとほとんどがあきらめるといいます。補助錠を付けると、複数箇所のガラスを破る必要があるため、その分時間がかかり侵入をあきらめる可能性が高まります。補助錠は、本錠から離れた場所で、不自然な姿勢を取らないと開錠できない位置に設置するとよいでしょう。
防犯ガラスに交換する、防犯フィルムを貼る
防犯ガラスとは、2枚以上のガラスの間に強靭な膜を挟んだもので、打ち破り実験でも十分な大きさの穴が開かない特殊なガラスです。バールなどで複数回たたいてもガラス破りは困難です。
ガラスの交換は大掛かりな工事でコストもかかるため、防犯フィルムをガラス全面に貼る方法もおすすめです。総厚350μm以上のポリエステル製フィルムを貼ることで、ガラス破りが困難になります。ただし、施工が正しく行われないと本来の防犯性能が発揮できません。専門の施工業者に依頼しましょう。
窓ガラスにセンサーアラームを取り付ける
センサーアラームとは、振動などを検知して大音量のアラームが鳴る防犯用品です。窓ガラスに取り付けておくと異常に気付きやすく、不審者を威嚇できます。振動センサータイプの防犯アラームは、ガラス破りなどの強い振動や、ガラスが割れる時の高い周波数の音にのみ反応します。日常生活における窓の開閉や振動には反応しません。
面格子を取り外せないようにする
窓に外側から付ける面格子は、取り付け部分のねじを外せば格子ごと取り外すことも可能です。最近の防犯面格子は、一度しめると逆方向に回せないねじになっています。
シャッターや雨戸を閉める
ガラス破りを防ぐために、夜間や長時間の外出時は窓のシャッターや雨戸を閉めましょう。
玄関ドアや勝手口のドアにも対策を
玄関や勝手口などのドアも侵入されやすい場所です。次のような対策を検討しましょう。
ピッキングに強い鍵に交換する
金属製の特殊工具を鍵穴に入れて、ドアの錠を短時間で開けるのがピッキングという手口です。ピッキングに強いディンプルキーなどの鍵に交換しましょう。
サムターン回し防止カバーを付ける
サムターンとは、ドアの鍵を室内側から開閉する時に、指で回すつまみ部分のこと。針金や特殊工具を外側から挿入して、サムターンを回して解錠する手口が「サムターン回し」です。対策としては、外から回せないようにカバーを被せる方法があります。また、サムターン部分が取り外しできる脱着式サムターンに取り替える方法もあります。
補助錠を付ける
本錠のほかに、補助錠を付けることをおすすめします。窓同様、本錠から離して、不自然な姿勢を取らなければ解錠できない位置に設置しましょう。
バールなどでこじ開けられないようにガードプレートを取り付ける
ドアの隙間からバールなどを差し込み、こじ開けるという手口もあります。防止のためにガードプレートを取り付けるとよいでしょう。
頑丈な素材のドアに取り替える
ドリルなどで穴を開け、鍵を開けるなどの荒っぽい手口もあります。スチール製など頑丈な素材のドアにすると安心です。
なお、防犯建物部品を選ぶ場合、CPマークの付いたものを選ぶことをおすすめします。「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」による防犯性能試験に合格し、防犯性能の高い建物部品目録に掲載された製品のみに使用が認められたマークです。
【防犯対策2】侵入者を寄せ付けない家をつくる
泥棒は簡単に侵入できそうな家を狙って犯行に及びます。侵入しづらそうと思わせたり、侵入するのをためらったりさせる家をつくることが大切です。
最新機器も利用しながら侵入を防ぐ
侵入口となりそうな窓の近くなどに、人の動きを感知して点灯するセンサー付きライトや防犯カメラを設置すると効果的です。また、高い塀は一度侵入すると外から見えず、泥棒にはかえって好都合です。見通しのよいフェンスにする、植栽はこまめに剪定するなどして、死角をつくらないようにしましょう。庭には、踏むと足音が鳴る砂利を敷くのもおすすめです。エアコンや雨どい、カーポートなどは2階への侵入の足場にならない位置に設置します。
玄関にはカメラ付きインターホンを設置して、訪問者を確認できるようにしましょう。留守中の訪問者を録画できる機能付きのものならより安心です。マンションの場合は、居住者のみが出入りできるオートロックシステムが防犯効果を高めます。
日頃の心がけも忘れずに
防犯設備だけでなく、住む人の日頃からの心がけも大切。さまざまな対策を施しても、合鍵を鉢植えの下や郵便受けの中に置いたら台無しです。在宅中やごみ出しの時も必ず戸締まりをするなど、油断しないようにしましょう。
郵便受けに新聞がたまっていると、留守中だとわかってしまいます。長期間家を空ける時は、新聞の配達を止めましょう。また、不在になる期間を近所の人に伝えて、様子を見てもらうと安心です。ふだんから近所同士で挨拶や声掛けをしていると、犯罪者が入り込みにくくなるといいます。地域の目も大切にして、犯罪を抑止しましょう。
【防犯対策3】離れて暮らす高齢の親には見守りサービスの導入も視野に
高齢の親と離れて暮らしており、防犯対策が気がかりという方も多いでしょう。高齢者のみの世帯だと明らかな場合、犯罪者に目を付けられやすいというリスクもあります。一人暮らしの場合はなおのこと心配ですね。
まずは、親が居住している自治体のサービスを確認してみてはいかがでしょうか。全国の自治体では、高齢者支援の取り組みを進めています。その一環として、電気・ガス・水道や郵便局、金融機関など日常的に高齢者と接する機会の多い民間企業などと協力して、見守りサービスを行う自治体もあります。
よりきめ細かな対応を希望する場合は、民間警備会社の見守りサービスを検討する方法もあります。緊急時に通報ボタンを押せばすぐにスタッフが駆けつけてくれたり、カメラで室内の映像を家族が遠方から確認できたりとメニューも豊富です。不審者の侵入をカメラが感知したらメールで異常を通報、ガードマンの出動を依頼できるサービスなども。会社によってサービスの内容や費用は異なりますので、導入を検討する場合はじっくり比較しましょう。
まとめ
侵入窃盗などの被害に遭うと、大切な財産を失ってしまうだけでなく、「見知らぬ者が家に侵入した」というショックで精神的なダメージを受けることになります。決して油断することなく、常に防犯対策を心がけましょう。
特に要注意の窓とドアについて、わが家は大丈夫かどうか見直してみてください。さらに、家の周りもぐるりと見て、侵入者に狙われそうな隙がないかチェックしましょう。
防犯設備や防犯グッズだけでなく、民間企業の防犯サービスなども必要に応じて検討し、犯罪に強い家をつくりたいものです。
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