狭山市狭山台にある、アットホームなカフェ「サトウさんCoffee & Lab」


プロフィール
佐藤 啓吾(さとう けいご)さん
狭山市出身。現在のお住まいは所沢。大学では面白いことをしたいと思い、もともと音楽に興味があったところから、ジャズコースに進学する。一般的にジャズは楽器演奏が主流だが、佐藤さんは歌のジャズ(アンサンブル)の勉強をしていた。また、サークルを通してゴスペルを始める。大学卒業後は、アルバイトをしながら歌手活動を行い、現在もシンガーとして活動している。そんな中、通っていたカフェの店主から、店を継がないかと声をかけてもらったことをきっかけに、そのカフェ『Annam Coffee & Lab』を引継ぐ。4年間営業後、2年前に現在の場所に移転し 『サトウさんCoffee & Lab 』に名前を変更。カフェではハンドメイド作家さんの作品を展示・販売しており、ジャズの演奏会や子ども食堂等のイベントも開催している。また、ゴスペルサークルの講師も行っている。



INDEX
『サトウさん』店主、実はジャズシンガーだった!
- 「今までの職歴について教えてください。」
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「生まれは狭山市で、現在は所沢市に住んでいます。
大学は映像や音楽等、様々な専門コースのある大学に進学し、その中のジャズコースに進みました。前からジャズの勉強をしていた訳ではなく、大学では面白い勉強をしたいと思ったことがきっかけです。もともと音楽や歌が好きだったので、幅広く調べる中でジャズに関心を持ちました。また、サークルではゴスペルをやっていました。ジャズというと楽器の演奏が一般的ですが、私は歌のジャズを学びました。ジャズはテレビやスーパーのBGM等、日常に溢れているので、意外と身近な音楽だと思います。
大学卒業後はアルバイトをしながら、ジャズのシンガーとして歌手活動をしていました。その後、意外なところからカフェを始めることになります。」
通っていたカフェ『Annam Coffee & Lab』を引き継ぎ、『サトウさんCoffee & Lab』をオープン
- 「カフェを始めたきっかけはなんですか?」
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「もともとカフェが好きで、通っていた『Annam』というカフェで、ジャズやゴスペルの演奏をさせてもらっていました。店主の都合でお店を畳むことになったとき、お店を引き継いでもらえないかと声をかけてもらったことがきっかけです。一から始めるのは難しいですが、そのまま引き継がせてもらえるなら、やってみようと思いスタートしました。
引継いでから4年ほど営業を行い、2年前に今の場所に移転し、名前を『サトウさんCoffee & Lab 』に変更しました。通常のカフェ営業以外に、定期的に作家さんが集まるイベントや、ジャズの演奏会を行っています。(ハンドメイドの)作家さんの多くは通ってくださるお客さまで、会話の中から作家活動の話を聞いてお声がけしたり、仲間を紹介していただいたりして、繋がりが出来ていきました。」
昔の駄菓子屋のように、大人も子どもも楽しく集まれる場所を作りたい
長期休みには「こども食堂」を開催
- 「現在の活動内容について教えてください。」
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「現在はカフェの営業が中心で、月に1回ジャズの演奏を行ったり、個人で公民館のゴスペルサークルの講師を行ったりしています。市内や周辺地域には、ゴスペルに興味を持っている人は結構多いんです。私が講師をしているサークルは平日の昼間に活動しているので、主婦の方が中心です。
また、今年(2023年)からこども食堂を定期的に行っています。近隣のカフェにお弁当をお願いして、ここで配布をしています。中学生以下は無料、中学生以上は300円で1回に25食程度を提供しています。毎月開催ではなく、給食のない長期休みに行うようにしています。(今年の夏休みは3回実施)お客さまからの寄付金で実施しているので、大規模で実施するのは難しいですが、開催回数を増やすことで、親御さんの負担を軽減したいと思っています。」
子どもが大人と気軽に話せる場所を作りたい
- 「子ども食堂を始めたきっかけはなんですか?」
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「移転前のカフェは公園の隣にあり、子ども達が良く集まる場所でした。初めはトイレを借りに来るぐらいでしたが、私が看板に絵を書いていたら、興味を持つ子達がいて、カフェに絵を描きに来るようになりました。そこで、絵を描いてくれた子にお菓子を配るようにしたら、カフェに来る子どもが増え、子ども達の交流の場になっていきました。
昔は、地域に駄菓子屋さんや個人店が多くあったので、大人と交流する機会がありましたが、今はコンビニやスーパーが中心で、その機会が減っています。児童館等に行けば交流はありますが、施設の人と話すという感覚だと思います。そうではなく、気軽に大人と話せる場所が必要と考えて、子ども達が楽しめるイベントを開催するようになりました。その流れから、子ども食堂をスタートしました。」
カフェを通じてまちの新陳代謝を活性化させたい
- 「活動の中で意識していることはありますか?」
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「最近は、商店街のお店が閉店したり、子ども達が減って学校のクラスが減ってきたり、まちが衰退していると感じることが増えてきました。私は狭山市が地元なので、カフェや自分の活動が、まちの活性化に繋がればいいなと思っています。カフェを通してまちの楽しみを増やし、狭山市に住み続けたいと思う人や、住んでみたいと思って移住する人が増えたら嬉しいです。
狭山市は古い団地が多く、入れ替わりが少ないので、新しい代謝が起きにくいところがあります。新しい家を建てる等、ハード面の整備も必要ですが、子どもから大人まで楽しめるイベントや雰囲気づくり等も大切だと考えています。そういったソフト面からまちを盛り上げていけたらと思います。」
大盛況だった子供向けハロウィンイベント
- 「活動の中でのやりがいはどんなところですか?」
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「狭山市内でイベントを行っている人はまだ少ないのですが、いい刺激になったと言ってくれる人が増えてきました。ジャズに関しても、都内まで行かなくても、地元で演奏を聞けて嬉しいという声も多く、そういった人達の声がモチベーションに繋がっています。
昨年の秋に、今までカフェでやっていたハロウィンイベントから、商店街の方々に声をかけて、商店街で子ども達にお菓子を配るイベントを企画しました。商店街の皆さんからは、子供が来てくれるか等、不安の声も上がりましたが、結果、100人以上の子ども達が集まり、お菓子が足りないぐらいでした。予想外の賑わいに皆さん驚いていましたが、子ども達も商店街の人達も喜んでくれたので、企画して良かったです。今後は、大人も楽しめるイベントを企画しながら、まちの活性化に繋げていきたいと思っています。」
狭山茶だけじゃない、狭山市の魅力
- 「狭山市の良いところ、もっと良くなるところはありますか?」
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「狭山市は公園が多いので、子ども達の遊び場があるのはいいところだと思います。団地の中に小さな公園がたくさんあったり、稲荷山公園のような大きな公園もあったりするので、自然が多い気がします。また、スーパーも点在しているので、日常生活には困らないと思います。車で旅行に行くときも、インターが近くにあるので便利ですね。自然も利便性もあって、いい意味で落ち着いたまちだと思います。
だからこそ、もっと狭山市の魅力を対外的にアピールできるといいと思います。狭山茶は有名ですが、全国茶品評価会で「一等一席」という最高ランクを受賞したお茶があったり、静岡県で開催された「全国手もみ製茶技術競技大会」という手もみの技術を競う大会で優勝した茶園があったりします!他には、過去にベーカリージャパンカップの食パン部門で優勝したパン屋さんもあります。そういった個人店があることを知ってもらえたらいいですね。」
大人も子どもも楽しめるイベントを定期的に開催したい
- 「今後の目標について教えてください。」
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「今までは、子ども達がメインのイベント中心に企画をしていましたが、大人やお年寄りも楽しめる地域のイベントを行っていきたいです。実は計画をしている最中で、キッチンカーやハンドメイド作家さんの出店、外でもパフォーマンスが見られる等、みんなで楽しめるものにしたいと思っています。団地ならではの連携を大切にしながら、商店街を中心に定期的に開催していきたいです。
個人的な目標になりますが、このカフェは仮店舗としてお借りしている状態なので、新しい場所を見つけたいと思っています。カフェの名前である『サトウさん』は、地域の皆さんにつけていただいた名前なので、なるべく同じ地域で、根を張れる場所を見つけられたらいいですね。」
店舗詳細
- 【店舗情報】
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「サトウさんCoffee & Lab」
埼玉県狭山市狭山台3-13-11(狭山市駅から1,585m)
定休日:木・金曜日 営業時間:10:00~18:00(L.O.17:30)Instagram @satosan_coffee_and_lab(Instagramへのリンク)甘くて濃厚なベトナム珈琲や、酸味のバランスが良いヨーグルト珈琲など、季節に合わせた様々なコーヒーを提供。
不定期でデザートの販売もしており、パン等の持込もOK。お店の裏にコインパーキングあり。
編集後記
狭山台団地は、狭山市駅からバスで10分ほどの場所にあります。周辺にはスーパーやパン屋さん、病院が並び、近所の人達が楽しそうに立ち話をしている姿が見られました。そんな団地の中に「サトウさんCoffee & Lab」はあります。店主・佐藤さんの親しみやすい雰囲気は、まちの空気そのもので、店内には穏やかな時間が流れています。子ども達の描いた絵や、作家さんの素敵なアートに癒されながら、こだわりのコーヒーを飲むことができます。また、長年狭山市(狭山台団地)で活動しているからこそ感じる魅力を色々教えていただきました!狭山茶以外にも有名なお店や、「サトウさんCoffee & Lab」のようなアットホームなカフェもあり、表に見えるものだけでは、まちの面白さは計れないものだと思いました。
狭山市ってどんなところ?
【場所】埼玉県南東部(人口:約15万人)
【アクセス】西武新宿線 新狭山駅、狭山市駅、入曾駅の3駅利用可能。西武新宿駅まで約50分。
【知ってましたか?狭山市のあれこれ】
『狭山茶は、日本三大茶のひとつ!』
静岡茶、宇治茶と並び、日本三大茶に選ばれている狭山茶。茶産地としては冷涼で、冬の間に茶葉を休ませることで、コクが出るそうです。
『入間川の河川敷には公園付きのスタバがある!』
「スターバックスコーヒー狭山市入間川にこにこテラス店」は河川敷に立地する全国初の店舗です!ラボたまが、民間活力導入コンサルティングとして、携わった店舗でもあります。

執筆者プロフィール
八木 奈央
2017年 埼玉りそな銀行小川支店入行。個人渉外として資産運用、信託商品の提案・販売を行う。まちを回る中で、田舎の人の温かさや面白さがある半面、人口減少などの社会課題も深刻化していること知る。その後、地域課題解決事業を行う「地域デザインラボさいたま(愛称:ラボたま)」が設立されることを知り、同社のビジネスコンテストに応募。「住みたい田舎から、住める憧れの田舎へ」をコンセプトに空き家流通促進事業について提案し、コンテストに合格。現在はラボたまに出向中。まちやコミュニティを知ることが移住促進・空き家課題解決に繋がると考え、様々な「まちびと」の活動を発信している。
- 2023/12/15新規作成


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