おいしい餃子でみんなと健康で幸せに。“3割うまい”『ぎょうざの満洲』が愛される理由


埼玉県川越市に本社を持つ『ぎょうざの満洲』。埼玉や東京を中心に103店舗(2025年7月現在)を展開しています。駅近にあるお店に、餃子やラーメンを食べに行ったことのある方も多いでしょう。『ぎょうざの満洲』の餃子は小麦粉、野菜、豚肉の全てが国産で、もちもちの皮やうま味たっぷりの餡は「いくらでも食べられる」と好評です。今回、自社農園『満洲ファーム』と本社を訪ねて、そのおいしさの秘密を探ってきました。


INDEX
自社農園『満洲ファーム』
で育つ元気な野菜を
新鮮なうちに加工・調理

『ぎょうざの満洲』の自社農園『満洲ファーム』は、餃子を作っている坂戸工場から車で10分ほどの場所にあります。取材に伺ったのは7月上旬。広大なキャベツ畑にはモンシロチョウが飛び交い、のどかな景色が広がっていました。
スタッフの横堀さんと久保さんと一緒に収穫作業をしていたのは、取締役副社長の池野谷高志さん。「時期にもよりますが、6~7月はこの農園から採れた野菜でメニューの約9割を賄っています。また、畑の農作物が収穫されて品薄な時期には契約農家からも野菜を仕入れています」夏は朝の6時から収穫を始め、近くの工場へすぐに配送。採れたてのフレッシュな野菜が、工場で次々に加工・調理されていく仕組みとなっています。

キャベツは二期作。ナス、さつまいも、大根、にんにくも栽培するなどチャレンジを広げています。今、まさに生育中のさつまいもはデザートのプリンの原料になる予定なのだとか!楽しみですね。『ぎょうざの満洲』では期間限定のフェアメニューが人気ですが、そこでも旬の野菜が大活躍。また、春キャベツと冬キャベツでは食感や味わいが異なるため、調理方法を変えるなどの工夫もしているそうです。
「『満洲ファーム』を始めたのは、農業の6次産業化を進める埼玉県から打診を受けたのがきっかけでした。鶴ヶ島市役所の職員が持つ畑を借りて栽培を始め、どんどん面積が増えて今に至ります」現在は、坂戸と鶴ヶ島の2か所で東京ドーム約2個分の広さにまで拡大し、新鮮な野菜を日々出荷しています。遊休農地を借り受ける形は農家にも喜ばれているそうで、まさにwin-winのスタイルと言えます。

創業者である
父の病気をきっかけに、
健康的なメニューへと
舵を切ることに

次は、川越市の本社に移動して代表取締役社長の池野谷ひろみさんにお話を伺いました。池野谷社長は創業者の金子梅吉さんの長女で、副社長の高志さんとはご夫婦です。

「わが社のスローガンは“おいしい餃子でみんなと健康で幸せに”。以前は“みんなと”ではなく“人々を”だったのですが、上から目線ではなく皆で一緒に健康に幸せになろう!という思いを込めて変更しました」
健康的なレシピに切り替えるようになったのは、父親の梅吉さんの入院がきっかけでした。「父は試食を兼ねて毎日ラーメンと餃子を食べていましたが、改めるように主治医の先生から言われたんです。私も同じ食生活をしていましたが、血圧が高いのが気になっていて。先生からは、動物性脂質の摂り過ぎが動脈硬化の原因になると言われました」
池野谷社長は、毎日食べても安心なレシピに切り替えるべきなのではと考え、まずは調理油をラードから植物油に変更。そして、餃子に使用する豚肉の脂身を減らすために、モモ肉中心にして赤身を増やしました。
「肉汁があふれ出るような餃子でなければ売れない、と現場からは声が上がりました。でも、ダメだったら元に戻せばいいから、まずは一度やってみようよ、と」その結果、翌月の餃子の売り上げが3割アップしたそうです。「あっさりしているから、普段の1.5倍くらい食べられちゃうんですね」池野谷社長の狙いは見事に当たりました。
次に、定食のご飯は白米か玄米かを選べるようにしました。現場からは「オペレーションが大変になる」「中華料理に健康を求める客は少ない」という声が上がり、まずは試験的に1店舗のみスタート。すると、3~4割のお客様が玄米を注文するようになり、他店で「この店では玄米が選べないの?」という声も聞かれるように。その後、徐々に導入店が増え、2年くらいで全店導入となったそうです。ちなみに、チャーハンは白米と玄米を半々で使用。パラパラとした食感で香ばしく、こちらも好評とのことです。
この玄米は、白米のように食べやすい金芽ロウカット玄米(東洋ライス社)を採用しています。「坂戸工場のある工業団地で知り合ったのが縁で、東洋ライス様とお取り引きすることになりました。ご縁でビジネスが広がったり、周りに助けられたりすることが多く、『ご縁は逃さない』というのが私の信条でもあります」白米は委託栽培で農家から直接購入。父親の梅吉さんの代から、産地の人たちと顔を合わせた交流やつながりを大切にしているそうです。
ちなみに、餃子の豚肉は指定農場の青森県産美保野ポークを始めとする国産豚肉を使用。自家製チャーシューにはフィンランドの抗生物質・成長促進剤不使用の豚肉を選ぶなど、素材へのこだわりは妥協なしです。「おいしい素材、鮮度の良い素材を使うと、調味料が少なくて済み減塩になるというメリットもありますね」
働き方改革を進めて、
健康で長く働ける会社に。
親子やきょうだいで
勤める人も多い

『ぎょうざの満洲』で働く人たちは自社の商品が大好きで、親子孫の三代やきょうだい、夫婦で働く人も多いそうです。『満洲ファーム』の横堀さんも、きょうだい全員が従業員なのだとか!

満洲ファームで働く横堀さんはきょうだい全員が従業員
「働く人が健康でなければという思いから、営業時間を徐々に短縮しました。今は全店21時閉店となっています。飲食業では珍しく1日8時間労働、週休2日で、全店禁煙も早い時期から実現しています」
また、金子梅吉相談役と池野谷社長夫妻はマラソンが好きで、小江戸川越ハーフマラソンのメインスポンサーもつとめています。「従業員は中華料理好きが多く、ともすれば太りがちです。そこで、健康のために走ろうと社内に声をかけました」従業員や関係者が、100人以上参加し、『ぎょうざの満洲オリジナルTシャツ』を着て出場しているとのこと。「マラソンを始めて人生が変わった、健康になったという声はたくさん聞きますよ」

ぎょうざの満洲オリジナルTシャツ

ぎょうざの満洲オリジナルTシャツを着て小江戸川越ハーフマラソン2024に参加
原材料費、人件費、
その他経費を3割ずつで
“3割うまい”

さて、店頭でおなじみのフレーズ”3割うまい“。この言葉の意味は「うまい、安い、元気でおいしさ3割増」からきているそうですが、「原材料費は3割が原則。次に人件費、その他経費を3割ずつ、残り1割が利益、これがベストバランス」という意味も込められているそうです。
「これは父の代からの経営理念です。ベストバランスを守り、会社を大きくするより中身をよくすることで売り上げをアップしていきたいと考えています」なお、店舗数は無理に増やさず、ビルのオーナーから声がかかって条件が合えば出店する方針を維持。既存店の床面積を拡大するなどの戦略も功を奏しているとのことです。
まとめ
「いい仲間といい仕事ができている」と充実した表情で語る池野谷社長。今でも、試食を兼ねてお昼には餃子とラーメンを食べているそうです。「毎日食べても飽きない、安心して食べられる商品をこれからも作っていきたいですね」『卓球T.T彩たま』のオフィシャルパートナーや、埼玉りそな銀行のSDGs私募債『日本一暮らしやすい埼玉』推進ファンドの発行など、地元埼玉県にもさまざまな形で貢献している『ぎょうざの満洲』。これからも愛されるお店であり続けると確信しました!
ぎょうざの満洲(外部サイトへのリンク)
- 2025/09/09新規作成


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